Texas Instruments 低消費電力マイコン MSP430 を使ってみる

UARTを割り込みで受信して、エコーバックするサンプル 2017.4.17 追加

 以前から、低消費電力マイコンという認識はありましたが、電池で動作する装置で、できるだけ長時間動作するマイコンを調べていて、テキサスのMSPシリーズに思い当たり、実際に動作させて、消費電流などを測ってみます。MSP430を使ってみようという気になったのは、開発環境である、CodeComposer Studio が、V7から、無償提供されるようになったからというのもあります。
 MSPシリーズのマイコンは、メーカー製の、LaunchPad という評価基板が安価に入手できるようなので、これを使いますが、一昔前より価格が上がっているみたいですが、それでも2000円前後で、デバッガー付き( デバッガー部分は分離して使えるので、新規に基板を作成してもデバッグ、フラッシュへの書き込みができるようです)が入手できます。

以下は、MSP430 LaunchPad Dvelopment Tool です。 デバッグできるターゲットは、DIPタイプの20ピンのMSP430G2553 で、右下のQFPのICは、Code Comopser Studio で操作できるようにしている、デバッガー兼フラッシュライターです。QFPの左にある、5個のジャンパーピンは、外して線で引き出し、このボード上以外の他のMSPマイコンのデバッガーとして使うことができます。このサイトでは、この基板を最初に使いますが、MSP430F5529やMSP432も予定しています。







UARTを割り込みで受信して、エコーバックするサンプル

 テキサスのサイトから、Code Composer Studio V7 ( 2017.4.13 時点)をダウンロードしてインストールし、起動すると、以下のウインドウが開くので、Browse Examples ボタンを押します。



Browse Examples ボタンを押すと、以下のように、Resource Explorer が開きます。


 Resource Explorer の、Software をたどって、以下の図のように、MSP430G2XX フォルダを開きます。


MSP430G2XX フォルダをたどって、MSP430G2553 フォルダの中の、Peripheral Examples/Register Level フォルダを開きます。


さらに Peripheral Examples/Register Level フォルダの中の、msp430g2xx3_uscia0_uart_05_9600.c を選び、右の方にある、ダウンロード操作のアイコンをクリックします。マウスを上に置くと、図のように、「 Make Available Offline 」と、選択がでてくるので、それを選択します。


 すると、MSP430Ware-v:3.60.00.10 をインストールしてもよいかという確認ダイアログが開くので、「Yes」を押します。この、MSP430Ware-v:3.60.00.10 は、Code Composer Studio をインストールしたフォルダを、C:\ti\ とすると、C:\ti\msp\MSP430Ware_3_60_00_10 フォルダにインストールされ、そのサイズが1.4GBほどになるからだと思われます。


 インストールが済んだあと、以下のように、サイコロ状のアイコン、「Inport IDE 」をクリックすると、


 以下のようになるので、さらに、


 プルダウンメニューの、Project --> Build Project を選択して、コンパイルします。



 しばらくすると、コンパイルが終了し、Bulid Finished と、メッセージが出ます。


 さて、このサンプルソフトですが、クロックが時計用の32768Hzの水晶となっていて、32kHzでCPUが動作しますが、起動後、UARTと割り込みの設定の後、スリープ状態になります。スリープしている状態でUARTから1文字受信すると、割り込みでCPUが動作を始め、受信した1文字をUARTで返信して、再びスリープ状態になります。ですから、UARTで文字を受信していないときは、ほとんど電流が流れません。

 コンパイルが終わったところで、基板をUSBで接続し、以下のように、デバッグボタン(虫のアイコン)を押します。


 すると、以下のような、Low Power Advisor の案内がでてきますが、Proceed を押します。


 しばらくすると、以下のような画面になり、実行ができるようになります。
このアイコンを押すと、サンプルプログラムが実行されます。


実行している状態で、電源電流を測ってみると、1.69μAとなりました。MSP430 LaunchPad 基板は、ターゲットデバイスと接続している、すべてのデバッグ信号を( GNDを除く )ジャンパー線で接続しているので、ジャンパー線を外して、電源接続部分に電流計を入れると、電源電流を測定できます。


 この電流は、32768Hzの水晶でUART回路のみ動作し、他はすべて停止している状態です( LPM3 と呼ぶ )。UARTで1文字受信すると、割り込みがCPUを起こし割り込み処理のなかで、受信レジスタを読んで、送信レジスタにライトします。その後割り込みからリターンするので、すべての状態が割り込み前に戻り、LPM3になります。



準備中


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